上野竹林王国物語~白浜王国編~11

【白浜王国宮殿内書物庫】

海浜は悩んでいた。

陽浜と優浜が旅に行けない理由はここでハッキリした。
それを伝えれば、さすがにあの2人も納得するしかないだろう。
国王が決めたことではなく、古くから伝わる言い伝えが残っていたのだから。

海(言えないよな…。桜桃ちゃんの命の保証がないかもしれないだなんて…ヽ(´Д`;)ノアゥ...)


この夜、部屋に乗り込んできた陽浜を、どうにか説得した海浜。(詳細は過去記事参照で!)

去って行った陽浜と入れ替わりで国王がやって来た。


海「…いつから聞いてたんですか?」
海浜は怪訝な表情で国王の方を見た。

永明「いや、、、陽たんが君の部屋から出てくるのが見えてな。それより…」

海「えぇ、見ましたよ。白浜王国の言い伝えの本」

永明「わ、ワタクシの本は…?」←ちょっと感想が聞きたいらしい(笑)

海「あぁ、見ましたよ。『ここが変だようちの国王』だよね?」
( ̄▽ ̄;)早速ご本人の前で間違えちゃいましたねー(笑)

永明「いや、『ここが分からぬ女心』だ」
海浜に変だと思われるのは、どうもプライドが許さないらしい^^;

海「あれは3ページ読んで閉じましたよ。この国の将来が心配になってきたから」

永明「…どういう意味だね?」

海「どうとでも取って下さいよ。それより!」
仕切り直しで海浜がダラダラした話をぶった切った。

海「何なんですか、あの言い伝えは!あれをそのまま受け止めたら、桜桃ちゃんの命の保証はないかもしれないってことですよね?」

永明「あ、まぁ、それは…」
ハッキリしない国王^^;

海「最初から分かってて桜桃ちゃんに言ったんですか?旅に出ろって」

永明「ワタクシもさすがにそこまで鬼ではない。だがしかし…」

海「僕は反対です!本当のことを知ったら、陽たんと優ちゃんだって反対するに決まってる!」
海浜は声を荒らげる。

永明「しかしだね。あの子たちがいないと黄金のタケノコは手に入らんのだよ」

海「…条件にありましたよね。『一国の王位を継承するもの』って」

永明「あぁ。そのとおりだが」

海「じゃあ、その条件に僕も当てはまります!旅には僕が行きます!」
海浜カッコイイ~(*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ

永明「海くんの口から、そんな言葉が出るようになったんだね。ワタクシは嬉しいよ…」

海「真面目に聞いて下さい。桜桃ちゃんを旅に行かせるのは、僕は反対です!」

永明「とは言ってもだね…」
国王が困り果てていると、


??「心配ご無用!」
??「でしゅ!」

謎の声が2つ。

永明&海「桜桃ちゃん!」

桃「海おにーたん、ご心配感謝!」
桜「でしゅ!」

桃「でも、大丈夫!」
桜「でしゅ!」

桃「あたちたちが旅に出ましゅ!」
桜「でしゅよ!」


海「………」
永明「………」


海「でも、、、2人とも、もしかしたら生きて帰れないかもしれないんだよ?」

桃「問題ない」
桜「でしゅ!」

桃「あたちたちは、そんなにヤワじゃない」
桜「でしゅよ!」

桃「『とくしゅのうりょく』もありましゅし( ̄+ー ̄)」

桜「とくしゅのうりょくって何でしゅか?」
桃「それはパパに聞いて下しゃいでしゅ!」


海「………」


桃「おにーたん、とにかく、心配無用でしゅよ!」
桜「2人ならどうにかなりましゅ!」


海「………」

永明「海くん、どうする?」

海「ここまで根拠なき自信を持って語られたら、反対もできないですよ」
海浜は、みんなから視線を逸らした。

気が付けば、時間は流れている。
知らないうちに、人は成長している。
妹たちの成長を目の当たりにした海浜は、何とも言えない気持ちでいっぱいだった。


海「桜桃ちゃん、、、気を付けて行くんだよ。絶対無事で帰って来るんだよ!」

桜桃「あいっ(・ω・)ゞ」


永明「近いうちに、リーリー王子たちがやって来るだろう。それまでに、準備を完了させておかねばだな」

桜桃「あいっ(・ω・)ゞ」



桜桃ちゃんたちが、旅に出るまで、あと少し…。





上野竹林王国物語の本編は、いのぱんだ様のブログでお楽しみ下さい・:*+.(( °ω° ))/.:+

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なんてことない日常や、趣味で作っているパンやお菓子、動物園の写真をupしています。 白浜劇場の新章は、こちらでスタートする予定です・:*+.\(( °ω° ))/.:+

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