【白浜王国・桜桃の間】
旅に出ることが決まった桜桃ちゃんは、その準備をしていた。
桜「……」
桃「……」
2人は無言で準備を進める。
桜「桃たん、何か喋ってくだしゃいよ」
無言に耐えきれず口を開く桜浜。
桃「そういう桜たんこそ、いつもうるさいくらい調子はずれに鼻歌とか歌ってるくしぇに何でしゅか!」
桜浜が何か発するのを待っていたかのように返事をする桃浜。
桜「……」
桃「……」
そして再び2人は無言になる。
桜桃「ねぇ!」
同時に声を発して、2人の声がハモった。
桃「何でしゅか?」
桃浜の問いかけに、言いにくそうに桜浜は答えた。
桜「おねーたんたち、、、最近何だかよそよそしいなと思うのは、あたちだけでしゅかね?」
桃「桜たんも思ってましたか?あたちも実は…」
桜「やっぱり…」
桃「あたちたちが旅に出るのが嫌なんでしょうかね」
桜「いなくなれって思ってるかもしれましぇん(٭°̧̧̧ω°̧̧̧٭)」
桃「それは悲しいでしゅよ(´;ω;`)」
桜「そう、、、悲しいでしゅ・゚・(。>д<。)・゚・」
2人の被害妄想(笑)がMAXに達しかけたとき、
??「あんたら、考えすぎや!」
??「そうだよ!」
どこかで聞いたことのある声が。
桜桃「おねーたん……」
声の主は、陽浜と優浜。
桜「どーしたんでしゅか?」
桃「いなくなれって思ってるんじゃ…」
陽&優「( ̄▽ ̄;)」
優「…あんな、誰がそんなこと言うたんや?」
陽「そ、そうだよ。ちょっとムッとしただけで、いなくなれとまでは…」
優「…ちょ、、、おねーたん、それは言わんでええやろ!」
陽「あ、そっか。今のは忘れて。ナンデモナイヨ」
優「何やねん、最後のカタコトは(--;)」
桜「それで、、、どうしたんでしゅか?」
恐る恐る聞く、桜浜。
陽「そりゃあモチロン、、、」
陽浜が言葉を発した瞬間、それを遮るように優浜が口を挟んだ。
優「あ、あんたら、準備手間取ってるんやないかと思ってな。手伝いに来たんや!」
陽「そ、そうそう。2人でやるより、4人でやった方が早いかなーって」
別にいなくなれとまでは、さすがに思っていなかった。
しかしながら、自分たちが思っていた以上に妹たちの被害妄想は激しかったため、何となく気まずい2人だったのである。
陽「あ、あとね。これ」
陽浜は、何かを差し出した。
桃「これは……?」
陽「お守り。2人の旅が無事に終わるようにね」
優「まだ始まってもないけどな」
陽「ほら、旅って危険がつきものじゃない?
変な人出てきたりとか、暗い道とか危ないところ歩いたりしなきゃいけないだろうし」
桜桃「ひぇ~((((;゜Д゜)))」
優「…怖がらせてどないすんねん」
陽「だからね!これ持ってたら、神様が守ってくれるからね!」
桜「おねーたん、、、」
桃「ありがとうございましゅ~。・゚・(*ノД`*)・゚・。」
陽「いいのよいいのよ。時々さ、どっかの美味しいものとか送ってくれるくらいでいいから」
優「どさくさに紛れておねだりしーなや…」
和気あいあいと、4人は準備をしていた。
一生会えないわけではない。
しかし、生まれた時から一緒にいた存在が欠けてしまうことに、ある種の淋しさを覚えていたのだった。
海「…ふぅ。世話が焼けるもんですね、妹たちっていうのは」
ラウ「そうね。でも、海くんだけじゃないわ。みんな通る道よ」
海「そういえば、『UMEKOキングダム』の永浜兄さんは、姉に苦労させられてましたっけね?」
ラウ「( ̄▽ ̄;)あそこは特別ね」
4人の様子を陰ながら見ていた海浜と良浜女王。
2人もまた、旅立って行く桜桃ちゃんを思っては、何とも言えない気持ちになっていた。
海「きっと…きっと無事に帰って来ますよね」
ラウ「間違いないわよ。だって…」
海「母上の娘ですもんね。逞しさは母譲り!」
ラウ「失礼しちゃうわ。私はか弱い女よ」
桜桃ちゃんの旅立ちまで、あと少し。
その頃。
?「うぅぅぅぅぅ(。º̩̩́⌓º̩̩̀).゜」
部屋からは、謎の泣き声が。
永明「わ、ワタクシの大切な娘たちが、もうすぐ旅立ってしまう…」
ぐすん。
永明「いえ、これも彼女たちの成長を願ってのことです。決めたのは、他の誰でもない、ワタクシ自身でございます(´;ω;`)」
ぐすん。
永明「でも、、、でも、、、やはり、悲しいのでございます…。・゚・(*ノД`*)・゚・。」
そんな国王の気持ちに寄り添っているかのように、外は静かに雨が降っていた。
『上野竹林王国物語』の本編は、いのぱんだ様のブログでお楽しみ下さい(*'▽'*)♪
0コメント